2007/07/29

街並みは人が作るもの──西大寺、閑谷、赤穂

2007.07.24
【岡山県】

 西大寺(Map)


 この絵は分かりますよね?
 最近の映画だし、続編も決まった『ALWAYS 三丁目の夕日』の舞台です。
 ちょうどお店のシャッターや雨戸を開ける時間帯で、見も知らぬ観光客にも「おはようございます」と声を掛けてくれる五福通り商店街です。
 イメージ通りのあたたかな空気を持った街なので、朝からとてもいい気分で歩けました。
 写真の少し先に五福座というイベントスペースがあります。「自分おこし」を合い言葉に、地元の人たちが立ち上げたそうで、コンサートや展覧会など様々な手作りの催しが開かれているそうです(決して広くありません)。
 住民が街のことを愛しているんだろうなぁって、歩いただけでその気持ちとてもよく分かる気がします。街を構成しているパーツそれぞれが、人を吸い付ける吸盤のようなもので、どことなく愛着を感じてしまう一画です。


 西大寺の裸祭りの名は耳にしたことあるかと思いますが、その舞台がここです。テレビで見たことありますが、熱気と殺気でムンムンした空気が伝わってくるような迫力があります。その様子を観戦するためと思われる観覧席が設置されているのには驚きました。
 祭りは宝木(しんぎ)の争奪戦で、それを手にした者には五福が与えられるそうで、先ほどの商店街もそこから名前をもらったようです。
 ホテルで「西大寺は…」の問いに「はい、観音様は…」という言葉からも、庶民に親しまれていることがうかがい知れます。
 普段は静かなたたずまいかと思いきや、朝から白装束のバスツアーの人々がお参りに訪れていました。ここも真言宗のお寺です。
 わたしは全然勘違いしていたようで、弘法大師(空海)の教えを伝える霊場というものは四国だけかと思っていたら、近畿地方には西国霊場、ここには中国霊場と、西日本では非常にメジャーな教えであり、白装束姿というものは完全に市民権を持っていること(ライフスタイルとして定着している)、認識を新たにしました。


 旧閑谷(しずたに)学校(Map)


 対面して思わず「おおっ!(何と立派な)」と声を上げてしまいました。見事に組まれた石垣を見て、陸の竜宮城かと思いましたもの。
 江戸時代の岡山藩立の学校で、役人や武士だけではなく庶民や他藩の人も学べたというのですから、環境や建物だけでなく設立への志にはかなりの思いが込められていたのでしょう。
 立地は山の麓ですから、市街地からは結構離れていて林間学校のイメージでしょうか、環境的にはとてもいいと思いますが、通うのは大変だったと思われます(寮とかあったのだろうか?)。




 赤穂城跡(Map)


 赤穂城跡にある、ご存じ大石内蔵助を祀る「大石神社」です。
 ここまで人々に愛されたら本望でしょう。訪れる人も大石(多いしと変換しようとしたのにこう出たのでそのままにしました)、やはり裕福な神社という印象を受けます。鳥居の前には四十七士の石像まで作ってますから、それがまた人を呼ぶことでしょう。
 お墓のある東京泉岳寺の、少しもの寂しい雰囲気に漂うおびただしい線香の煙も好きですが、神様になっちまった内蔵助がきっと今度はわたしたちを救ってくれると、祭りあげられた神社の陽の下のあっけらかんとした雰囲気も好感が持てます。
 でも、大石内蔵助って人を救えるような人物だったのでしょうか?
 いやいや、今やもう神ですから……


 赤穂と言えば塩ですが、その広大な塩田をぜーんぶ埋め立てて大規模な工業団地、住宅地や公園施設にしてしまったようで、城跡が無ければここはどこの街? という特徴のない風景になっていました。
 でも、あれだけ工場があったら結構な人数を養えそうではあります。
 下の写真の左の蔵は、歴史資料館(?)か何かですがいい絵だったので。

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