2007/05/05

吹屋、羅生門、矢掛──Discover West 2

2007.04.30
 広兼邸(Map)—岡山県


 「『八つ墓村』の最後に燃えたところやで!」
 何も知らなくても、見に来たおばちゃんが説明してくれるので安心ですが、未見の方にはちと無理か。
 アクセスの良くない場所にあるので、人なんかいないだろうと思っていたのですが、結構な観光地なのには驚きました。
 銅山経営で財をなした家だそうで、山村の中にこつぜんと現れた巨大な石垣に思わず声を上げてしまいました。説明によれば、下の土に覆われた部分にも石垣があるのだそうです。


 見張り番の窓からの景色ですが、左から3番目のすき間から見える建物は、個人用の神社だそうです。
 敷地内には蔵や土蔵もあり、映画のように双子のおばあさんが入っていきそうな雰囲気を持っている屋敷です。
 役割的に違いがあると思うので単純な比較は出来ないにせよ、周囲にある山村の農家の中に城のような大邸宅という構図は、第一次産業とそれ以外の産業従事者との格差とも受け取れることができ、「この土地では無理でも都会でいつかきっと!」という気持ちが生まれる背景を理解できる気がします。


 吹屋(Map)—岡山県


 ベンガラと言って、陶磁器(九谷、伊万里、京)、漆器(能登、輪島)、衣料品、家屋、船舶などに使う赤色顔料の精製で町が栄えたそうです。
 現在は、赤に染まった町並みの観光地となっています。人もまま訪れますが、落ち着いた雰囲気を保っていて印象のとてもいい集落です。


 木造の小学校があり、1階建ての校舎を見ている時、小学1・2年で使用していた校舎が思い出され、とても懐かしい気持ちに触れさせてもらいました。




 羅生門(Map)—岡山県


 周辺に広がるカルスト台地には「井倉洞」「満奇(まき)洞」などの鍾乳洞が点在しているのですが、山口県の秋吉台に比べると規模も小さく、ちとガッカリさせられました。
 ここはそんな鍾乳洞が崩落した残骸なのだそうですが、わたしにはこちらの方が迫力を感じました……
 この台地は周囲から比べても高い場所にあるのですが、そこに結構集落が点在しています。いわゆる高原地帯なのですが、標高は関係なく平らな土地を求めて登って来たのだと思われます。
 でもきっと、この地方はそんな場所が多そうなので、その考察は次回以降のテーマにしたいと思います。





 矢掛(Map)—岡山県


 旧山陽道の宿場町の矢掛(やかげ)本陣です。修復されたこともありますが、敷地のまま保存されているらしくなかなか見応えのある一角です。
 京都じゃなくてもこんな絵は撮れるわけで…… それが「日本らしさ」。
 だなんて、達観したようなこと言ってますが、道中で落ち着ける場を提供する側と、それを受け止める側が共有できる「空気」ってやつが文化なのではないだろうか、なんて思いました。








 この写真、もう一歩って感じだなあ。
 天窓からの明かりの感じなど結構好きです。
 三脚があれば撮れると思うのですが……
 「だったら、撮ってみそ!」って?
 頑張ります。












 ここは、ガイドブック(るるぶ)の写真と同じアングルです。
 他に撮りようがないので……















 岡山天文台(Map)—岡山県


 天文少年だった小学生の頃から頭の隅に引っ掛かっていた「日本一の天文台」(今はどうなのだろうか?)に、この歳になってようやくたどり着きました。
 が、閉館時間を過ぎ入れませんでした。
 やはり、その道は閉ざされているようです……

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「八つ墓村」で最後に燃えたとこ。
この写真を見てすぐに八つ墓村のラストシーンがよみがえりました。本物とはビックリしました。
この映画は小学3年の時に、兄と二人で観たのですが
強烈に怖かった。後々、ろうそくを頭につけて人を斬りまくってたオッサンが山崎努だと知りました。そして「仕事人」だったということも。
映画やドラマをみて「かっこいいなあ・・・」と、中学の頃から私の好きな男優さんですが、過去を知るのはまだ先のことでした。

mizu さんのコメント...

 現在、2007年8月9日です。
 このコメント先ほど気がつきました。
 このページは、ブログにしては面倒な作りになっていて、Topに「ことづて」があって、この「@中国地方」など地域のページは別アドレスにしているので、それぞれに設定が必要になります。その中国地方のページの「コメント書き込み時の連絡先」設定がもれていて、知らせが届かず気付きませんでした。
失礼しました……
 前にも書きましたが、『八つ墓村』愛のテーマという曲が好きで、iPodに入れてるのですが、今年の初めでしたかリメイクの『犬神家の一族』を観て、昔のテーマ曲を取り込んで『砂の器』のテーマ(二十数分ある)で挟んでしまってからどうも存在感が薄れてしまいました。
 しかし、中国地方で聞く『砂の器』(映画)のテーマ曲は、どの地で聴いても心に響いてきます。やはり、聴く環境で曲の印象は変わるべきだし、そこにイメージとしての絵を持っていると、そんな引き出しと見比べて目前の現実を感じ、考えられるのですごく刺激のある楽しい経験ができると思います。
 映画で加藤嘉(本浦千代吉)が入っていた舞台と思われる現療養所(旧隔離病棟)のある長島にも入れたら、きっともっと多くを語っていたのではないかとも思います。
 結局は、行ってない場所のことはウソでも書けませんものね……